ホームページ リニューアルの効果は本当に出るのか|作る側が正直に話す判定チェックリスト

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「ホームページをリニューアルすれば問い合わせが増える」と思っていませんか。
新しいデザインにして、スマホでも見やすくして、今っぽい雰囲気に作り直せば、きっと反応が変わる。
そう考えて数十万円から数百万円の見積もりを前に、決断しようとしている方は多いはずです。

ですが、その前に一つだけ知っておいてほしいデータがあります。
マーケティング支援会社のWACULが、実際にリニューアルした20社を調べた調査があります。
CV数(問い合わせ件数)かCVR(成約率)のどちらかが改善したのは、20社中わずか6社、つまり30%だけでした。
残りの14社、70%は改善しなかったのです。
特に「デザインだけを刷新した」10社では、7社でむしろ数字が悪化していました。
一方で「情報や導線などの構造を変えた」3社は、すべて改善しています(残りの社は中間的な改修でした。出典:WACUL「Webサイトはリニューアルによって改善するのか?」・調査対象20社)。

この調査結果は当時、メディアでも大きく取り上げられました(東洋経済オンライン2020年)。
リニューアルは「やれば効果が出るもの」ではないという事実は動きません。

私はホームページを作る側の人間です。
フリーランスのWebエンジニアとして、コーディングや制作を仕事にしています。
だからこそ、成果の出ないリニューアルを正直に話す必要があると考えています。
この記事でお伝えしたいのは、正しい問いは「作り直すべきか」ではないということです。
問うべきなのは「今のサイトに何が足りないか」です。
順番に見ていきましょう。

リニューアルの効果は「デザイン」でなく「何を足すか」で決まる

リニューアルの効果はデザインでなく何を足すかで決まる

結論から書きます。
ホームページ リニューアルの効果を左右するのは、見た目の新しさではありません。
そのサイトに「何を足すか」で決まります。

先ほどのWACUL調査をもう一度見てください。
デザインだけを刷新した10社は、7社で数字が悪化しました。
情報や導線という構造を変えた3社は、すべて改善しました(出典:WACUL「Webサイトはリニューアルによって改善するのか?」・調査対象20社)。
この差は偶然ではありません。
デザインはあくまで器です。
器の中に「意味のある中身」が入って、はじめてサイトは機能します。

「リニューアルは意味ない」と言われる最大の理由も、ここにあります。
見た目だけを変えて、中身を変えていないからです。
色を変え、フォントを変え、レイアウトをおしゃれにしても、載っている情報が前と同じなら、訪問者が受け取るものは変わりません。
だから成果も動かないのです。
逆に言えば、中身さえ変われば「リニューアルには意味ある」と実感できます。

私自身の経験を一つ紹介します。
以前、あるお菓子屋さんのサイトを見たとき、商品写真が一枚も載っていませんでした。
どんなお菓子を売っているのか、いくらなのか、何時まで開いているのか、サイトからは何もわからない状態だったのです。
そこで私はデザインには手をつけませんでした。
商品の写真と説明、価格、営業時間を足しただけです。
それだけで、来店したお客さんから「サイト見たよ」と言われるようになったそうです。
デザインの刷新はゼロでした。
それでも成果は動いたのです。

ここで言う「情報を足す」とは、単に文章を増やすことではありません。
足すべきなのは、訪問者が知りたい具体的な中身です。

  • 商品やサービスの写真
  • これまでの実績や制作例
  • 料金の目安
  • よくある質問(FAQ)
  • お客様の声や口コミ
  • 問い合わせへの誘導(CTA)
  • そこへたどり着くための導線設計

これらが揃って、はじめてサイトは「反応が返ってくる場所」になります。

ここで、作る側の私が正直に言っておきたいことがあります。
情報を足すだけで済むなら、作り直しは要りません。
私がそう言う理由は、成果の出ない150万円のリニューアルを1件請けるより、正直に仕分けをした人が本当に必要なときに相談してくれるほうが、結果的に長く付き合えるからです。
だからこの先も、作り直しが不要なケースはきちんと不要だと書きます。

あなたのサイトはどれ?リニューアル判定チェックリスト

あなたのサイトはどれ?リニューアル判定チェックリスト

では、あなたのサイトは作り直すべきなのでしょうか。
それとも情報を足すだけで足りるのでしょうか。
ここを見極めるために、まず問題の階層を整理します。

問題は大きく二つに分かれます。
一つは技術債務です。
スマホ非対応、SSL未対応、表示速度、CMSの老朽化といった問題は、「情報を足す以前の土台」の話です。
土台が崩れていると、どれだけ良い中身を載せても届きません。
もう一つは中身不足です。
写真や料金、実績や導線が足りないという問題は、「足す中身」の話です。
この二つは、打ち手がまったく違います。

まずは次のチェックリストで、自分のサイトの状態を確認してください。

  • スマホで見づらい、指で操作しにくい
  • 表示が遅い、なかなか開かない
  • URLが「http」のままで「https」になっていない(SSL未対応)
  • CMSやシステムが古く、サポートが終了している
  • 問い合わせフォームがない
  • 写真・料金・実績など、必要な情報が載っていない
  • 自分で内容を更新できない

チェックがついた項目によって、進むべき方向は変わります。
該当するパターンごとに結論を書きます。

【技術債務型】スマホ非対応・SSL未対応・表示が遅い・CMSが古い

このパターンに当てはまるなら、作り直し(リニューアル)が妥当です。
土台そのものが古いと、中身をいくら足しても改善しきれません。
スマホで見づらいサイトは、それだけで多くの訪問者を逃します。
Think with Googleが引用したGoogle/SOASTA Researchの2017年の調査では、モバイルページの表示に3秒以上かかると、53%の訪問者が離脱するとされています(出典:Think with Google/Google, SOASTA Research, 2017)。
日本のアクセスは大半がスマートフォンからです(総務省「令和5年版 情報通信白書」/StatCounter)。
土台が古いままでは、その大半を取りこぼしてしまいます。

今すぐの一歩は、自分のスマホで自社サイトを開いて、実際に指で操作してみることです。
文字が小さくないか、ボタンが押しにくくないか、ページが開くまで待たされないか。
自分が使いにくいと感じたら、訪問者はもっと早く離れています。

【中身不足型】技術は問題ないが、情報や導線が足りない

スマホ対応もSSLも問題なく、システムも新しい。
それなのに反応がない場合は、中身不足型です。
このパターンでは、部分改善が先です。
作り直しは不要です。
先ほどのお菓子屋さんのように、必要な情報を足すだけで数字が動くことがあります。
数百万円をかける前に、まずは中身を見直してください。

今すぐの一歩は、自社サイトのトップページを開いて、料金と実績が3秒で見つかるかを確認することです。
探しても見つからないなら、それが足りていない中身です。

【流入ゼロ型】そもそも人が来ていない

チェックする以前に、そもそもサイトを訪れる人がほとんどいない。
このパターンが、実はいちばん多いかもしれません。
はっきり言います。
人が来ていないなら、リニューアルより先にSEOや広告で流入を作るべきです。
誰も来ていないサイトを作り直しても、誰も来ない新しいサイトができるだけです。

これは正直に言うと、私のリニューアル案件にはならない領域です。
流入を作る施策は、作り直しとは別の仕事だからです。
それでも順番を間違えると、数百万円をかけても結果につながりません。
だからこそ、作る側の私がはっきり言っておきます。
まず流入、それからサイトの中身、という順番です。

今すぐの一歩は、自社名以外のキーワードで検索して、自社サイトが出てくるかを確認することです。
たとえば「地域名+業種」で検索してみてください。
見つからないなら、それは作り直しの問題ではなく、集客の問題です。
このあたりはホームページで集客できない原因で詳しく書いているので、そちらを先に読んでみてください。

費用の目安と「かける前に問うべきこと」

費用の目安とかける前に問うべきこと

リニューアルを検討するなら、費用の相場も知っておきたいところです。
ここでもWACULの調査が参考になります。
フルリニューアルの平均見積もりは776万円でした。
一方、部分リニューアルの平均は195万円です(出典:WACUL)。
その差はおよそ4倍にもなります。

投資額と成功率には、相関も見られます。
同じ調査では、コーポレートサイトの場合、300万円以上をかけたケースの成功確率が69%、100万円未満では30%だったと報告されています(出典:WACUL)。
ただし、この数字の受け止め方には注意が必要です。
これは「高く払えば成功する」という因果ではありません。
目的の設計や要件定義にコストをかけられる制作体制かどうか、その違いが結果に表れていると考えるべきです。
高額なプランを勧めたくてこの数字を出したのではありません。
お金の額そのものより、何にお金をかけるかが問われているのです。

費用帯ごとに、打てる手の目安を整理しておきます。
制作会社や案件の規模によって幅が大きいので、あくまで参考値として見てください。

費用帯できることの目安
0円情報・写真・文章の追加(自分で更新できる範囲)
10〜50万円部分改修・スマホ対応
50〜150万円標準的なリニューアル
150万円〜情報設計からの作り直し

なお、大規模なフルリニューアルになると、先ほどのWACULのデータのように平均776万円規模に達することもあります。

成功率が3割の投資に数百万円を投じる前に、問うべきことは一つです。
「何を足すか」を先に決めているか。
ここが定まっていない作り直しは、金額の大小にかかわらず成果につながりにくいのです。

もし作り直しを発注すると決めたなら、その先の進め方はホームページ制作を依頼する流れにまとめてあります。
発注前に一度目を通しておくと、失敗を避けやすくなります。

リニューアルで失敗する3パターン

リニューアルで失敗する3パターン

「本当に効果が出るのか」と疑っている方のために、失敗の典型例も正直に書いておきます。
ホームページ 作り直し 効果を打ち消してしまう、よくある3つのパターンです。

一つ目は、デザインだけを刷新して、CTAや導線がないままにしてしまうケースです。
見た目はきれいになったのに、問い合わせへの導線がないため、反応はゼロのまま変わりません。
先ほどの「表層だけの刷新は10社中7社で悪化」というデータが、まさにこの状態を指しています。

二つ目は、リニューアルのときにURL構造を変えてしまい、リダイレクト設定を怠るケースです。
これをやると、それまで積み上げてきた検索流入が急に落ちます。
復旧までに数ヶ月かかることもあります。
新しくなった喜びも束の間、アクセスが激減して青ざめる、という失敗は珍しくありません。

三つ目は、目的を決めずに「競合がリニューアルしたから」という理由で始めるケースです。
目的がないと、リニューアル後に良くなったのか悪くなったのか、比較する基準すら定まりません。
何のために作り直すのかが曖昧なままでは、効果を判断することもできないのです。

このほかの制作でつまずきやすい点は、中小企業のホームページ制作でよくある失敗にもまとめています。

効果を測る指標|リニューアル前後で何を見るか

効果を測る指標|リニューアル前後で何を見るか

リニューアルの効果を確かめるには、前後の数字を比べる必要があります。
とはいえ、いきなり難しい分析を始める必要はありません。

まずはCV、つまり問い合わせ件数や電話の件数を数えるだけで十分です。
リニューアルの前後で、問い合わせが増えたのか減ったのか。
それがいちばん大事な指標です。
気をつけたいのは、PV(アクセス数)だけを見ないことです。
アクセスが増えても問い合わせが増えていなければ、成果が出たとは言えません。
PVは、見栄えは良いのに実利につながらない虚栄指標になりがちなのです。

余裕があれば、CVR(成約率)や直帰率、フォームまでたどり着いた割合も見てみてください。
GA4を使う場合は、前後で同じ期間、同じツールで比べることが大切です。
たとえば繁忙期と閑散期を比べてしまうと、季節変動の影響で正しく判断できません。
リニューアルの効果を測るなら、条件を揃えて比較してください。

まとめ|作り直す前に「何が足りないか」を確かめる

まとめ|作り直す前に何が足りないかを確かめる

最後にもう一度、この記事でいちばん伝えたかったことを書きます。
正しい問いは「作り直すべきか」ではありません。
「今のサイトに何が足りないか」です。

ホームページ リニューアルの効果は、デザインの新しさではなく、何を足すかで決まります。
土台に問題がある技術債務型なら、作り直しが妥当です。
中身が足りないだけの中身不足型なら、部分改善が先で作り直しは不要です。
そもそも人が来ていない流入ゼロ型なら、まず集客が先です。

今日、最初にやることは一つだけで構いません。
自分のサイトを開いて、来た人が知りたい情報、つまり写真・料金・実績が3秒で見つかるかを確認してください。
見つからないなら、そこがあなたのサイトに足りない中身です。

チェックリストを見ても自分がどのパターンか判断がつかない。
現状を一度きちんと診断してほしい。
そう感じた方は、気軽に相談してください。
作り直すべきかどうかも含めて、正直に見ます。
情報を足すだけで済むなら、そうお伝えします。
あなたのサイトにとって本当に必要な一手を、一緒に見極めましょう。

この記事を書いた人

宮地 健太朗

Web制作・運用を中心に、
中小企業・個人事業主のWeb活用を支援しています。

現在は、東京のWebマーケティング会社にてエンジニアとして参画し、サイト制作・運用改善・業務効率化などを担当しています。

単なる制作にとどまらず、
「どうすれば使われ続けるか」「どう改善すれば成果につながるか」を重視し、実務に即した提案と実装を行っています。

専門的な内容も、できるだけわかりやすく説明しながら、
一緒に考え、継続的に改善していくことを大切にしています。