ホームページを作ったのに問い合わせが来ない理由|まず「集客」か「接客」かを切り分ける

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お金と時間をかけてホームページを作ったのに、問い合わせも反応もほとんど来ない。その状況で焦ってしまう気持ちは、よく分かります。私はフリーランスのWebエンジニアとして、たくさんの中小企業や個人事業のサイトを制作したり、後から改善したりしてきました。その経験から、まず先にお伝えしたいことが2つあります。

1つ目は、いきなり作り直しやお金をかける前に、無料でできる原因の切り分けから始めてほしいという点です。2つ目は、正直な話として、ホームページを直しても解決しないケースもあるという点です。商材そのものや価格、そもそも需要が薄いといった市場の問題は、サイトをいくらきれいにしても埋められません。だからこそ、最初に「どこが詰まっているのか」を見極める必要があります。

問い合わせの数は、ざっくり言うと「流入 × 受け皿 × 導線」の掛け算で決まります。どれか1つがゼロなら、他がどれだけ良くても結果はゼロになります。つまり改善は「どこがゼロに近いか」を診断するところから始まります。

まず切り分ける|「集客」の問題か「接客」の問題か

問い合わせが来ない原因は集客か接客かを切り分ける

問い合わせが来ない原因は、大きく2つに分かれます。そもそもサイトに人が来ていない「集客」の問題か、来ているのに動いてもらえない「接客」の問題か、です。ここを混同したまま手を打つと、的外れな改善になります。たとえば誰も来ていないのにボタンの色ばかり変えても、来客ゼロのお店で接客を磨くようなものです。

切り分けは、無料のツールで自己診断できます。Googleアナリティクス(GA4)でセッション数を見れば、どれくらいの人がサイトに来ているかが分かります。Google Search Consoleの表示回数を見れば、検索結果にどれだけ出ているかが分かります。表示回数もセッションもごく少なければ、それは「そもそも来ていない」状態で、集客側の問題です。逆にそれなりに人は来ているのに問い合わせが伸びないなら、受け皿と導線の問題になります。

一つの目安として、問い合わせ系サイトの成約率(CVR)は1〜3%程度とされることが多いです。0.5〜1%ほどとする調査もあり、業種やゴールの決め方で大きく変わりますが、100人が訪れて問い合わせは数件くらいが一つの相場観です。月に数十人しか来ていないなら、そもそも母数が足りていない可能性が高いといえます。

原因A|そもそも見つけられていない(集客ゼロ)

そもそも見つけられていない集客ゼロの状態

集客がゼロに近い場合、よくある背景がいくつかあります。SEOが機能していない、狙うキーワードがずれている、そもそも記事やページの中身が薄い、といったパターンです。検索する人が使う言葉と、サイトに書いてある言葉がかみ合っていないと、検索結果にすら出てきません。

集客を担うHPが備えるべき条件は、集客できるホームページの特徴6つで役割設計から整理しています。

ここで大事なのが、業種によって人が来る経路がまるで違うという点です。地域密着のBtoC、たとえば飲食店や美容室、整体などは、検索よりGoogleマップ経由、いわゆるMEOが主戦場になりやすいです。職人系や下請け中心の仕事は、いまも紹介や口コミが中心という場合が少なくありません。高単価のBtoBは、検索だけでは取りにくく、SNSや人づての紹介が入り口になることもあります。

つまり、あなたの本当の入り口がGoogleマップなのだとしたら、ホームページの中身をいくら直しても問い合わせは増えません。その場合はMEO、つまりマップ側の対策が先です。自分の業種の流入経路がどこなのかを、まず見定めてください。

もう1つ、構造的な問題として触れておきたいのが、格安HPやテンプレートで作ったサイトです。安さを売りにしたプランは、見た目を整えるところまでで、集客の設計が最初から入っていないことがよくあります。キーワードもコンテンツも想定されていないので、公開しても検索で見つけてもらえません。この背景については格安HP制作の裏側で詳しく書いているので、心当たりがあれば読んでみてください。

原因B|来ているのに問い合わせされない(受け皿・導線)

来ているのに問い合わせされない受け皿と導線の問題

GA4を見て「人はそこそこ来ている」となったら、今度は受け皿と導線を疑います。せっかく来てくれた人を取りこぼしているパターンで、代表的なものが4つあります。

1つ目は、3秒で「何屋か・誰向けか・何ができるか」が伝わらないことです。サイトを開いて最初に見える画面、いわゆるファーストビューで用件が伝わらないと、人はすぐ離れます。おしゃれなキャッチコピーより、まず何をしている誰なのかを伝えるメッセージ設計が効きます。

2つ目は、信頼の証拠がないことです。実績や制作事例、お客様の声、そして作り手や担当者の顔が見えないと、問い合わせる前に不安が勝ちます。特に個人や小さな事業ほど、顔と実績を出すだけで反応が変わります。

3つ目は、問い合わせの心理的ハードルが高いことです。ボタンの文言が「送信」だけで弱かったり、フォームの入力項目が多すぎたり、返信の速さが書いていなかったりします。「1営業日以内にご返信します」と一言添えるだけでも、押す勇気は変わります。

4つ目は、スマホで見づらい、あるいは表示が遅いことです。Googleの調査(2017年ごろ)では、ページの表示に3秒以上かかると、訪問の約53%が離脱するとされています。同じGoogleとSOASTAの調査(2017年)では、読み込みが1秒から3秒になると、直帰する確率が32%上がるという結果も出ています。やや古めのデータではありますが、遅さが人を逃す傾向は今も変わりません。

実は「制作段階」で失敗しているパターン

制作段階の設計ミスで問い合わせが来ないパターン

ここが、現場を見てきた立場としていちばんお伝えしたいところです。問い合わせが来ない原因は、公開後の運用ではなく、作った時点の設計ミスにさかのぼることが多いです。

よく見かけるのが、誰向けのサイトか決めないまま作ってしまったケースです。ターゲットが定まっていないと、メッセージがぼやけて誰にも刺さりません。同じように、キーワード設計がまったくないまま公開されているサイトも珍しくありません。検索で戦う準備をしていないので、集客が起きようがない状態です。

ここで切り分けたいのが、「直しても無駄なHP」と「今のHPのまま直せるHP」の違いです。土台の設計が空っぽなら部分修正では届きませんが、設計はあるのに詰めが甘いだけなら、今のサイトで十分立て直せます。

もう1つ厄介なのが、制作を丸投げした結果、自分でCMSを触る権限がないケースです。更新したくても管理画面に入れず、しかも業者と連絡が取れなくなり、更新が止まってしまう。サイトは更新が止まると情報が古くなり、SEO上も評価が下がっていきます。自分で最低限の更新ができる状態かどうかは、実はとても大切な条件です。

何から直すか(優先順位)

何から直すか優先順位のつけ方

やることが見えてくると、今度は順番に迷います。おすすめは、効果の大きさ(インパクト)と、かかる手間や費用(対応コスト)の2軸で考える方法です。

まずはGA4とSearch Consoleを見てください。流入がほぼゼロなら集客から、それなりに流入があるなら受け皿と導線から手をつけます。そのうえで、次の3段階に分けて動くと迷いません。

今日すぐ無料でできることとしては、ファーストビューの文言を「誰向けに何ができるか」へ書き換える、問い合わせボタンの文言を具体的にする、返信目安を明記する、といった作業があります。週に1時間ほどでできることとしては、実績やお客様の声を1つずつ増やす、狙うキーワードで足りないページを1本書く、といった積み上げがあります。費用がかかることとしては、表示速度の改善やスマホ表示の作り直し、集客設計からのリニューアルが入ってきます。お金がかかる打ち手ほど後回しでよく、無料で効く順に潰していくのが結局は近道です。

自己診断チェックリスト&まとめ|「作り直し」が必要なケース

自己診断チェックリストと作り直しの判断

最後に、自分のサイトがどのタイプかを判定できるチェックリストを置いておきます。

  • Search Consoleの表示回数もGA4のセッションもごく少ない(→ 集客の問題)
  • 人は来ているのに問い合わせが伸びない(→ 受け皿・導線の問題)
  • ファーストビューで何屋か伝わらない
  • 実績・お客様の声・顔写真がない
  • フォーム項目が多く、返信の速さも書いていない
  • スマホで見づらい、または表示が重い
  • そもそも誰向けか・どのキーワードで戦うか決めずに作った
  • 自分でCMSを更新できない、または業者と連絡が取れない

上の3つ目から6つ目に多くチェックが付くなら、今のサイトのままで十分改善できます。一方で、7つ目と8つ目に当てはまるなら、土台の設計から見直す作り直しを検討したほうが早い場合があります。

作っただけ、直しただけで終わってしまう状況は、あなただけの悩みではありません。クーミル株式会社の「ホームページリニューアルに関する実態調査」(2026年2月実施、有効回答312名、Web担当者Forum 2026年4月1日掲載)によると、リニューアル後の後悔で最も多かったのはSEO設計の不足で、101名、約32%にのぼりました。リニューアル後に感じている課題としても「問い合わせが増えない」が122名、約39%で最多でした。見た目を新しくしても、集客とSEOの設計が抜けていれば反応は増えない、という実態が数字にも出ています。

作り直しを考える段階になったら、次の記事も判断の助けになります。自分で手を動かすか外注するかで迷うならホームページは自分で作る?プロに頼む?を、外注先の選び方で迷うならフリーランスと制作会社、どっちに頼むべき?を読んでみてください。

そして、もし「うちは作り直すべきなのか、今のままで直せるのか分からない」という段階なら、まずは無料で切り分けの相談だけしてもらえれば大丈夫です。私は、話を聞いたうえで「その状況なら作り直さなくていいですよ」と正直にお伝えするスタンスでやっています。焦って大きなお金を動かす前に、まずはどこがゼロなのかを一緒に見つけるところから始めましょう。

この記事を書いた人

宮地 健太朗

Web制作・運用を中心に、
中小企業・個人事業主のWeb活用を支援しています。

現在は、東京のWebマーケティング会社にてエンジニアとして参画し、サイト制作・運用改善・業務効率化などを担当しています。

単なる制作にとどまらず、
「どうすれば使われ続けるか」「どう改善すれば成果につながるか」を重視し、実務に即した提案と実装を行っています。

専門的な内容も、できるだけわかりやすく説明しながら、
一緒に考え、継続的に改善していくことを大切にしています。