「年商1億円規模のBtoB企業に届くサイトにしたい」
株式会社ネクシス様のホームページリニューアルは、この一言から始まりました。
企業のSNS運用を代行している会社です。
2026年8月末に公開しました。
実物はこちらです。
デザインから実装、WordPress対応まで私が担当しました。
公開して終わりではなく、いまも運用を継続してお手伝いする伴走プランとして、日々の更新や改善を担当しています。
この記事では、ご依頼から公開までに何を決めてきたのかを、決めた順番どおりに書きます。
まず、なぜ私のところに話が来たのかから始めます。
サイトの見た目の話はほとんど出てきません。
出てくるのは、誰に読ませるかを決める話と、その人が納得する順番に並べ替える話です。
事例としてはBtoB企業のサイトですが、決め方そのものは、ひとりで事業をされている方でも変わりません。
別のフリーランスに依頼したあとで、私のところに話が来た

このリニューアルは、ゼロからのご相談ではありませんでした。
ネクシス様は、もともと別のフリーランスの方にサイト制作を依頼されています。
ただ、できあがったものが、AIで作ったと誰が見ても分かる状態でした。
これではいけない、というところから私に話が来ています。
制作費は、前に依頼されたときより上がりました。
安く作ったものが結局は使えず、作り直しになったからです。
リニューアルを考えている方に、ここだけは先にお伝えしておきたいところです。
安く作ったサイトが使えないと、作り直しの費用が上に乗ります。
最初の見積もりが安く見えても、二度払えば安くはありません。
このあたりは格安HP制作の裏側にも書いています。
「年商1億円規模のBtoB企業に届くサイトに」という要望

ターゲットの属性は、最初から先方が持っていました。
これは実はかなり珍しいことです。
リニューアルのご相談で多いのは「今のサイトが古いので新しくしたい」「もう少し今っぽくしたい」という形で、誰に読ませるかは決まっていません。
その意味で、ネクシス様の要望は明確でした。
ただし、明確であることと、そのまま設計に使えることは別です。
「年商1億円規模のBtoB企業」という言葉だけでは、実際にサイトを組むときの判断ができません。
この文章を残すか消すか、この情報を上に置くか下に置くか。
そういう場面で、属性は答えを出してくれないからです。
ここをどう埋めたかが、この案件の中心になります。
既製のヒアリングシートは送りません

最初にやったのは、30分ほどのオンラインミーティングでした。
いきなり質問票をお送りしても、何を答えればいいのか分からない項目が並ぶからです。
雑談を交えながら、なぜリニューアルしようと思ったのか、どんな会社に来てほしいのかをうかがいました。
ここで出てきた話をもとに、ネクシス様専用のヒアリングシートを作っています。
私は、あらかじめ用意した質問票をそのまま送るということをしません。
聞くべきことは、会社によって違うからです。
SNS運用を代行している会社であれば、既存アカウントで何が起きているか、どんな依頼を断っているか、競合が広告で何と言っているか。
ここを聞かずに作ると、他社と同じことが書いてあるサイトになります。
ネクシス様の場合、話しながら組み立てた結果、質問は89問になりました。
そのうち87問に回答をいただいています。
数だけ見ると身構えると思いますが、一度に全部埋めていただく必要はありません。
分けて返していただいても、打ち合わせで話しながら埋めても構いません。
個人事業の方であれば質問の数はもっと減りますが、その方に合わせて作るという点は変わりません。
返ってきたのは、デザインの好みの話ではありませんでした。
どんな会社から相談が来ているか、その人たちが前に何をして失敗しているか、自社として何をやらないと決めているか。
サイトの構成を決めるために必要だったのは、こちらの情報のほうです。
「年商1億円規模のBtoB企業」は、属性であって人ではない

ヒアリングの回答が出そろった時点で、私は属性を1人の人物に落としました。
年齢、役職、会社の規模、いま何に困っているか、過去に何を試して、それがどう終わったか。
ここまで具体的に決めます。
中身は、ネクシス様がこれから営業していく相手そのものなので、この記事には書きません。
ただ、決め方だけはお伝えしておきます。
大事なのは、その人が最初に知りたいことは何かを1つに絞ることです。
今回のサイトでいえば、最初に知りたいのはサービスの説明ではありませんでした。
前に試したことが、なぜうまくいかなかったのか。
その切り分けです。
本人にも切り分けられていないので、次の一歩が踏み出せません。
だとすれば、サイトが最初にやるべき仕事は自己紹介ではなく、その切り分けを渡すことになります。
ターゲットを1人に決めるというのは、こういうことです。
好みや雰囲気ではなく、載せる順番を決めるために決めます。
ひとりで事業をされている方でも同じで、決めた1人が変われば、トップページの1行目が変わります。
読む人が納得する順番に並べ替えた

人がサイトを読まない理由は、大きく3つに分かれます。
見ない、信じない、行動しない。
昔から言われている3つの壁ですが、今回はこれを壊す順番で全体のセクションを並べ替えました。
| 読まれない理由 | そこで置いたもの |
|---|---|
| 見ない・読まない | 冒頭で、読み手が過去に経験したことを具体的に書く |
| 信じない | やらないことを先に3つ書く。そのあとに実績と数字を置く |
| 行動しない | 料金の考え方、進め方、よくある不安への回答を最後にまとめる |
一番時間をかけたのは、冒頭のすぐ下に置く文章です。
ここでよく使われるのが「こんなお悩みはありませんか」という書き出しですが、今回はやめました。
代わりに、読み手が過去に一度やって、うまくいかなかったことを具体的に書いています。
読んだ人に「なぜこの会社は、うちが去年やったことを知っているんだ」と思ってもらうためです。
そこで初めて、読む姿勢が変わります。
一般論から入ると、この効果は出ません。
自分の会社のことだと思ってもらえないからです。
読み手が過去に何を試して、何にがっかりしたか。
そこを具体的に書けるかどうかで、続きを読んでもらえるかが決まります。
読んでいる人と、決める人は違う

BtoBでもうひとつ外せないのが、読んでいる人が決裁者とは限らないことです。
担当者が良いと思っても、その人は社内で上司に説明しなければいけません。
そこで今回は、担当者が上司に見せられる形を優先しました。
具体的には、次の3つを表に出しています。
- 料金の考え方を隠さずに書く
- 誰が担当するのか、体制を明記する
- 進め方と、どのくらいの期間がかかるのかを先に出す
金額の表示についても、文字を小さくすると隠しているように見えるため、はっきり読める大きさにしました。
上司に見せた瞬間に「で、いくらなの」と聞かれて答えられない資料は、そこで止まるからです。
これはお客様のサイトに限った話ではありません。
私自身も、見積もりは同じ考え方で出しています。
社長ひとりで決める会社であっても、この構造はなくなりません。
家族や共同経営者に一度見せる場面があり、そのときに説明しなくても伝わるかどうかで、話の進み方が変わります。
表示の重さは、目的ではなく前提

技術的な話はほとんどしませんが、1点だけ触れておきます。
リニューアル前のサイトは、写真が大きいまま置かれていて、スマートフォンで開くと重い状態でした。
さらに、SNSにURLを貼っても画像付きのカードが出ない状態になっていました。
SNSから人を呼んでいる会社なので、ここは直す必要があります。
やったことは、画像を適切なサイズにして、表示に必要な設定を入れただけです。
軽くしたこと自体は、この案件の成果ではありません。
読んでもらうための前提であって、目的ではないからです。
公開して終わりではない

サイトは2026年8月末に公開しました。
https://nexis-sns.com/
現在は伴走プランとして、日々の運用を継続して担当しています。
2026年10月ごろからは、広告運用も担当する予定です。
ホームページは、公開した日が完成日ではありません。
問い合わせの内容を見て文章を直したり、反応の悪い場所を入れ替えたりして、少しずつ形が変わっていきます。
そこまで見ないと、最初に決めたターゲット設定が合っていたのかどうかも分かりません。
まとめ
今回の案件でやったことを、順番に並べるとこうなります。
- 要望として出てきたターゲットの属性を、そのまま使わずに1人の人物に落とした
- 先に30分話してから、その会社のためだけのヒアリングシートを作り、デザインではなく判断材料を集めた
- 見ない、信じない、行動しないの3つを壊す順番で全体を並べ替えた
- 冒頭では一般論を書かず、読み手が過去に経験したことを具体的に書いた
- 担当者が上司に見せられる形を優先した
- 公開後も運用を続けて、当初の設定が合っていたかを見ている
ホームページの構成は、センスで決まるものではありません。
誰に読ませるかを1人に決めた時点で、ほとんど決まります。
逆に言えば、そこが決まっていないまま作り始めると、きれいだけれど誰にも刺さらないサイトになります。
そして、そのサイトは結局作り直すことになります。
無料のホームページ健康診断をやっています
公開後、東元様からは「最初から頼めばよかった」という言葉をいただきました。
一度別の方に依頼したうえでのお言葉なので、私にとっては一番うれしい評価でした。
同じように迷っている方に向けて、無料のホームページ健康診断をやっています。
いまお使いのホームページのURLを送っていただくだけで、次の5点を診断してレポートをお返しします。
- スマホでの表示崩れ
- 検索結果での見え方
- 問い合わせ導線がどこで切れているか
- 最終更新からの放置期間と、その間の損失
- 作り直すべきか、直すだけで済むか
診断だけ受け取って終わっていただいても構いません。
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問い合わせが来ない原因の切り分けについてはホームページを作ったのに問い合わせが来ない理由にも書いていますので、あわせてご覧ください。
まずは、いまのURLを1つ送っていただければと思います。
