集客の相談は「比較」で選ばれていない。5つの相談先とタイミングの見極め方

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集客の相談先を、どこにするか、迷っていませんか。

そう考えて、検索窓に「集客 相談 先」と打ち込んだ経営者や個人事業主の方は、少なくないと思います。

私は普段、中小企業や個人事業主のホームページ制作と、その後の保守・運用を仕事にしています。

先日、地元の商工会が開いた交流会に参加したときのことです。

その場で、ある方からこう声をかけられました。

「ホームページ作りたいんだけど」

集客の相談としては、こういう場でよくある切り出し方だと思います。

私にとっては、特に印象に残るやり取りになりました。

ただ、私はその場で見積もりを出しませんでした。

会話の流れで金額を口にすることもできたと思いますが、あえてしませんでした。

その方の事業内容も、抱えている困りごとも、まだほとんど聞けていなかったからです。

なぜその場で答えを出さなかったのかは、この記事の後半で書きます。

先に立場を明かします

透明なカードを机に置く手。立場を隠さず正直に明かすことを表したイラスト

その前に、私自身の立場を先に明かしておきます。

私はホームページの制作も、公開後の保守・運用も、両方とも仕事にしている当事者です。

つまり、これから「相談先は5つあります」という話をしますが、その5つの中に自分が属する選択肢が含まれています。

第三者として、公平にジャッジできる立場ではありません。

だから、どれが一番いいかという公平な比較はしません。

その代わり、正直な向き不向きを書きます。

どんな状態のときに、どの相談先が合いやすいのかを整理します。

逆に、どんな状態だと合いにくいのかも書きます。

現場でクライアントと接してきた実感をもとに、できるだけ率直に書いていきます。

読んだ結果、「うちは外部Web担当より、制作会社が合っていそうだ」と感じてもらっても、それは書いた意味があったということだと考えています。

立場を隠したまま「客観的な比較記事です」という顔をするより、そのほうが読んでいる方にとっても判断しやすいはずです。

相談を検討したほうがいいタイミング

チェックリストと時計と回転灯。相談を検討すべきタイミングのサインを示したイラスト

「集客の相談って、いつ動けばいいんでしょうか」

これも、よく聞かれる質問のひとつです。

Web集客の相談タイミングに、決まった正解はありません。

ただ、目安になるサインはいくつかあります。

相談を検討したほうがいいサイン

以下のうち、当てはまる項目が複数あれば、一度誰かに相談してみる時期だと思います。

  • ホームページはあるが、問い合わせや予約にほとんどつながっていない
  • そもそもホームページがなく、何から手をつけていいか分からない
  • SNSや広告に手を出したいが、時間も知識も足りない
  • 自分でサイトを更新しようとしたが、途中で止まっている
  • 集客の悩みを、これまで誰にも相談したことがない

ひとつだけでも当てはまるなら、動く価値はあると思います。

複数当てはまっている場合は、後回しにするほど手が回らなくなっていく段階に入っている可能性があります。

デジタル化を進めるうえでの課題として、「人材不足」を挙げた日本企業は41.7%、「デジタル技術の知識・リテラシー不足」を挙げた企業は30.7%にのぼります(出典:総務省「令和5年版情報通信白書」第4章第11節、2022年度調査)。

自分ひとりで抱え込んで、更新も広告も手が止まってしまうのは、決して特別なことではありません。

多くの企業が同じところでつまずいています。

よくある勘違いから見えてくること

相談の場でよく聞かれる質問に、「ホームページ作れば集客できますよね?」というものがあります。

これに対する私の定番の答えは、いつも同じです。

ホームページは、ひとつの動線です。

もし集客につなげたいなら、ランディングページを作って広告を回すとか、役に立つ記事を書いて多くの人に見てもらうとか、そのための仕組みがもうひとつ必要になります。

ウェブサイトを作っただけでは、集客できません。

これは意地悪で言っているのではなく、サイトの役割を最初にすり合わせておかないと、公開後に「思っていたのと違う」という食い違いが生まれやすいからです。

なぜ集客につながらないのかを段階ごとに整理した記事もありますので、心当たりのある方はホームページで集客できない原因は3つの段階でわかるもあわせて読んでみてください。

もうひとつ、よくあるのが「ターゲットは特にない、とにかく集客したい」という相談です。

気持ちはよく分かりますが、これは相談先を選ぶ前段階で、一度立ち止まって整理したほうがいいサインだと思います。

誰に何を届けたいのかがぼんやりしたままだと、どの相談先に行っても話がかみ合いにくくなります。

逆に言えば、この2つの勘違いに心当たりがあるということ自体が、相談を検討すべきタイミングのひとつのサインだと思います。

こうしたタイミングのサインが見えてきたら、次に考えるべきは「どこに相談するか」です。

相談先は5つある

形の違う5つの建物アイコン。相談先が5種類あることを並べて示したイラスト

集客の相談先は、大きく5つに分けられます。

それぞれ、得意なことと苦手なことが違います。

ひとつずつ、簡単に見ていきます。

①公的窓口(商工会議所・商工会、よろず支援拠点など)

商工会議所や商工会、よろず支援拠点といった公的な支援機関です。

よろず支援拠点は2014年の設置から10年間で、累計相談対応件数が300万件に達しており、「IT活用」「広報戦略」「販路提案」も専門相談の対象に含まれています(出典:中小企業庁「2025年版小規模企業白書」第2部第2章第2節、中小企業庁 事務局説明資料)。

ただし実務の代行までは行っておらず、静岡県よろず支援拠点は公式サイトで「ホームページの制作、融資手続などの実務代行も行なっておりません」と明記しています(出典:静岡県よろず支援拠点 公式サイト)。

相談やアドバイスは受けられても、サイトを作る作業そのものは、別の相談先に依頼する前提の仕組みになっています。

②制作会社

ホームページを作ることを専門にしている会社です。

デザインやコーディングの品質が高く、要件が固まっていれば話が早いのが特徴です。

制作後の運用や集客の設計まで踏み込むかどうかは、会社によって幅があります。

③広告代理店

Web広告の運用を専門にしている会社です。

広告の出稿・改善のノウハウに強みがあり、すでにホームページやランディングページがある状態からの集客加速に向いています。

サイトそのものの制作は対応していないか、外部の制作会社と連携する形になることが多いです。

④コンサルタント

事業戦略や数値の設計を一緒に整理する専門家です。

集客の前提になる、事業全体の方向性を整理したいときに向いています。

一方で、実際の制作や広告運用の手を動かす部分は、担当しないケースが多いです。

ここまでの4つは、それぞれ役割が区切られており、担当する工程の外は別の相談先に頼る前提になっています。

⑤外部Web担当

ここまでの4つと少し性格が違うのが、外部Web担当という選択肢です。

制作会社が「作って納品する」ことを主な役割にしているのに対し、外部Web担当は公開後も継続して伴走します。

料金は都度の制作費ではなく、月額での契約が中心になります。

保守・運用がそもそも契約に含まれているため、サイトを直したいときや更新したいときに、そのつど新しく発注し直す必要がありません。

社内に専任のWeb担当者を置く余裕がない中小企業や個人事業主にとっては、外部にいる担当者という位置づけに近くなります。

制作会社・広告代理店・コンサルタントが、それぞれ得意な工程を区切って担当するのに対して、外部Web担当は工程をまたいで、ひとりの相手として関係が続いていく形になります。

困りごとが起きるたびに、また一から相談先を探し直さなくて済む、という点が実務上の違いです。

サイトの内容は、公開した時点がゴールではなく、事業の状況に合わせて少しずつ変わっていくものです。

その変化に合わせて手を入れ続けられる相手が、あらかじめ契約に組み込まれているかどうかは、公開後の運用のしやすさに関わってきます。

制作会社・広告代理店・コンサルタント・外部Web担当のどれが優れているという話ではなく、公開して終わりにしたいのか、公開後も一緒に手を動かしてほしいのかによって、向いている相手が変わってきます。

これが自分に合うかどうかは、このあとの章で判断材料を渡していきます。

では実際に、みなさんこの5つをどう比較して選んでいるのでしょうか。

実際には比べて選ばれていない

薄く沈んだ比較表の手前で2人が直接つながる図。比較より出会った人に相談する実態を表したイラスト

ここで、冒頭の商工会での出来事に話を戻します。

商工会は「相談窓口」ではなく「出会いの場」

私自身の実感として、相談先を比較検討されたことは、ほとんどありません。

これまでで比較された経験は、一度だけです。

そのときも、比べられた相手は商工会でした。

つまり私の場合、商工会は「相談窓口」というより、「出会いの場」として機能しています。

制作会社・広告代理店・コンサル・外部Web担当を横に並べて検討する、という動き方をされることは、あまりありません。

多くの場合、知り合った相手にそのまま相談する、という流れで話が進みます。

冒頭で紹介した「ホームページ作りたいんだけど」という声がけも、まさにこの流れでした。

商工会という場そのものが相談窓口の役割を果たしているというより、そこで人と知り合い、あとから個別に相談が始まります。

私が見てきたのは、そういう順番のほうが多いという実感です。

別日に、近所のカフェで話を聞いた理由

その場で見積もりを出さなかったのは、事業内容も困りごとも分からない段階で、数字を出しても意味がないと思ったからです。

そこで、別の日に近所のカフェで、あらためて詳しく話を聞くことにしました。

対面にした理由は、大きく2つあります。

ひとつは、相手が高齢の方だったことです。

もうひとつは、訴求したい内容を、落ち着いて聞いて引き出したかったことです。

加えて、たまたま近所だったことも、対面を選んだ理由のひとつになりました。

画面越しのやり取りより、直接顔を合わせて話したほうが、こちらの理解も深まります。

オンラインでの打ち合わせが悪いわけではありませんが、相手が話し慣れていない場合、対面のほうが言葉を引き出しやすい場面は確かにあります。

カフェでの会話では、落ち着いて話を聞くことで、その人の事業のどこを前に出すべきかを、一緒に整理できました。

急いで見積もりを出していたら、この整理の時間は生まれなかったと思います。

その人には、本当にホームページが必要でした

こういう話をすると、「実は違う課題だった」という展開を期待されることがあります。

今回はそうではありません。

話を聞いた結果、その方は事実として、本当にホームページを必要としているケースでした。

意外な結末があったわけではなく、対面で丁寧に話を聞いたことで、必要なものが必要な形ではっきりしただけです。

派手なオチはありませんが、これが現場で起きていることのほとんどだと思います。

比較検討の末にドラマチックな決め手があるわけではなく、地道に話を聞いた結果、そのまま素直な依頼につながります。

そういうケースのほうが、体感としてはずっと多いです。

近所という条件は、思った以上に効いている

近所であることや、対面で話せることは、相談先選びの実務的な軸になります。

地元の工務店とは、「近所にいる」という理由で、いまも仲良くしてもらっています。

距離の近さが、そのまま信頼につながった実例のひとつです。

これは私の周辺だけの話ではなく、統計にも近い傾向が表れています。

中小企業・小規模事業者のうち、約7割が何らかの支援機関を活用しているというデータがあります。

内訳を見ると、中規模企業が64.5%であるのに対し、小規模事業者は76.6%と、より高い割合になっています(出典:中小企業庁「2025年版小規模企業白書」第2部第2章第1節、令和6年度中小企業の経営課題と事業活動に関する調査)。

規模が小さい事業者ほど、誰かに相談しながら進めている割合が高いということです。

比較検討の末に選ぶというより、身近な人づてで相談先にたどり着きます。

私が現場で見てきた実感は、このデータとも重なります。

遠くの誰かを比較検討して選ぶより、近くにいる知り合いに素直に頼るほうが、結果的に早くて安心できます。

そう考える経営者の方のほうが、体感として多いです。

相談前に用意しておくと話が早いもの

開いたメモ帳とペン。相談前に用意しておく持ち物を机の上に描いたイラスト

相談先が決まったら、事前に何を準備しておけば話が早いのかも触れておきます。

大がかりな資料を作る必要はありません。

企画書のような立派な形式である必要もなく、手元のメモ程度で十分です。

用意しておきたい4つ

  • 事業の内容を、ひとことで説明できるメモ(何を、誰に、どう提供しているか)
  • 集客について、いま困っていることの具体例
  • 使える予算のおおよその感覚(上限だけでも構いません)
  • いつまでに形にしたいか、という希望の時期

この4つがあるだけで、相談先の担当者はかなり動きやすくなります。

特に予算感は、伝えるのを遠慮する方が多い項目です。

ですが、上限だけでも先に共有してもらえたほうが、その範囲でできる提案を出しやすくなります。

逆に予算感がまったく分からないまま話が進むと、いったん提案を出してから金額が合わずやり直す、という遠回りが起きやすくなります。

逆に、これらが何も決まっていなくても、相談してはいけないわけではありません。

私自身、事業内容を聞きながら一緒に整理していくことのほうが多いです。

冒頭のカフェでの相談も、最初から資料が揃っていたわけではありませんでした。

ただ、事前にひとことメモがあると、初回の打ち合わせで話せる範囲がぐっと広がります。

限られた時間を、状況の説明ではなく、中身の相談に使えるようになります。

結果として、初回の打ち合わせだけで次に進めるかどうかの判断がしやすくなり、相談先とのやり取り全体もスムーズになります。

冒頭で紹介した公的窓口も、制作会社や外部Web担当への相談も、準備の仕方に大きな違いはありません。

同じメモを、どの相談先に持っていっても使い回せると考えておいて問題ありません。

売り込まれるのが怖い人へ

値札を虫眼鏡で確認する手と対応範囲のチェックリスト。安さだけで決めず中身を確かめる様子のイラスト

「相談したら、そのまま契約を迫られるのでは」

そう感じて、相談自体をためらう方も一定数います。

安さで決めると、あとで割に合わなくなる

ここで伝えておきたいのは、値段の安さだけで相談先を決めないほうがいいということです。

私自身、駆け出しのころに費用を安く受けた案件で、修正の依頼が際限なく続き、割に合わない仕事になってしまった経験があります。

当時は実績づくりを優先していたこともあり、金額よりも受注そのものを優先していました。

結果として、対応の時間ばかりが膨らみ、金額に見合わない働き方になってしまいました。

この経験があったからこそ、いまの適正な価格の考え方に切り替わりました。

安い金額には、安いなりの理由があります。

修正の対応範囲が狭くなったり、フォローが手薄になったりするのは、決して珍しいことではありません。

安さそのものが悪いのではなく、その金額でどこまで対応してもらえるのかが見えないまま契約してしまうことが、あとになって「思っていたより対応してもらえない」というすれ違いにつながります。

格安で請け負う場合に何が起きているのかは格安HP制作の裏側で詳しく書いていますので、金額で迷っている方は参考にしてください。

私が「安すぎる案件」を断る理由

私自身、値段が安すぎる案件は、基本的にお断りしています。

それ以外の案件については、なるべく対応してあげたいと考えています。

これは、相談者を選り好みしたいからではありません。

適正な金額でやり取りできる関係のほうが、結果としてお互いに無理のない仕事になるからです。

安さを売り文句にする相談先を否定するつもりはありませんが、その金額でどこまで対応してもらえるのかは、あわせて確認したほうが安心です。

相談の段階で、金額だけでなく対応範囲まで聞いておくことが、あとで割に合わなくなるのを防ぐ、一番シンプルな方法だと思います。

相談先を契約前にどう見極めるかは、集客のパートナーの選び方で具体的にまとめています。

すでに外注して思うような成果が出ていない方は、集客の外注で失敗したときの立て直し方もあわせて読んでみてください。

まとめ:相談先は、入口を1つ選べば十分です

並んだ扉のうち一つだけが開いて光が差す図。入口を1つ選んで始めることを表したイラスト

ここまで、集客の相談先について、5つの選択肢とタイミングの目安、そして現場で起きていることを書いてきました。

大事なのは、5つすべてを比較して最適解を探すことではありません。

いまの自分の状況に近い入口を、まず1つ選ぶことです。

事業戦略から整理したいならコンサルタント、すでにサイトがあって広告を強化したいなら広告代理店、まずは形にしたいなら制作会社、そして公開後も継続して相談できる相手が欲しいなら外部Web担当という選択肢があります。

何から手をつけていいか分からない段階なら、公的窓口が最初の相談先としても機能します。

比較して一番を決める必要はなく、いまの状況に一番近い扉を、ひとつ開けてみることから始めれば十分です。

もし、公開後も伴走してくれる外部Web担当という選択肢が気になったら、一度問い合わせてみてください。

まずは、事業の状況を聞くところから始めています。

出典一覧

  • 中小企業庁「2025年版小規模企業白書」第2部第2章第1節、令和6年度中小企業の経営課題と事業活動に関する調査(中小企業・小規模事業者の支援機関活用率)
  • 中小企業庁「2025年版小規模企業白書」第2部第2章第2節(よろず支援拠点 累計相談対応件数)
  • 中小企業庁 事務局説明資料(よろず支援拠点の専門相談対象)
  • 静岡県よろず支援拠点 公式サイト
  • 総務省「令和5年版情報通信白書」第4章第11節、2022年度調査(デジタル化の課題)

この記事を書いた人

宮地 健太朗

Web制作・運用を中心に、
中小企業・個人事業主のWeb活用を支援しています。

現在は、東京のWebマーケティング会社にてエンジニアとして参画し、サイト制作・運用改善・業務効率化などを担当しています。

単なる制作にとどまらず、
「どうすれば使われ続けるか」「どう改善すれば成果につながるか」を重視し、実務に即した提案と実装を行っています。

専門的な内容も、できるだけわかりやすく説明しながら、
一緒に考え、継続的に改善していくことを大切にしています。